キスの日SS

 死者の行列が解散した直後、廃墟の路地裏に連れ込まれたウィリアムと視線を合わせるように、艶麗な顔が近付いてくる。ウィリアムの顎を掴み、じわじわと唇を貪るのはアルテアだ。僅かな身長差も、ウィリアムが壁に押し付けられ、ずるず...

Under the Rose II

「ナカ、あつ……い……」  思わず、といった感じで溢れた言葉にそちらを見れば、ウィリアムは身体を整える事も忘れ、力尽きたのかくたりと目を閉じていた。身体を繋げてみれば、ウィリアムも愉しんでいたようであったし、アルテア自身...

Under the Rose

 何を思ったのか、何を見たのか。 自らの喉を突いて、自死を選んだ終焉の魔物は、その血と想いの裔として、選択の魔物と、欲望の魔物の派生を形作った。 意識と存在の有り様を選択し、顕現した先に倒れ伏す白い姿に長い髪を払い、アル...