仮初めと失われた選択
いつものように事故に遭ったネアを追い、そのあわいに飛び込んだはずだった。 無事捕まえることが出来たので、今回は危険な目に遭わせず済んだかと安堵したその時に、選択を司る王の前に不思議な選択肢が示されたのだ。 いわく『あ...
いつものように事故に遭ったネアを追い、そのあわいに飛び込んだはずだった。 無事捕まえることが出来たので、今回は危険な目に遭わせず済んだかと安堵したその時に、選択を司る王の前に不思議な選択肢が示されたのだ。 いわく『あ...
ばたんと勢い良く扉が開かれたのは、ウィリアムとアルテアが酒を飲んでいるところであった。 訪れた者が誰かは解っていたものの、ゆっくりと過ごす時間に騒がしいなと眉を下げた。「どうしたんだ、サラフ。君は今頃……その、風竜の城...
鳥籠を解放し、後始末が終わると、夜会帰りに合流したらしいアルテアが顎で方向を示すのが見えた。 疲れた、と思いながらもウィリアムは拒まない。今夜、眠らせてはもらえないのだろうと判ってはいたが、腹の奥が疼くのだ。疼くまで教...
「ナカ、あつ……い……」 思わず、といった感じで溢れた言葉にそちらを見れば、ウィリアムは身体を整える事も忘れ、力尽きたのかくたりと目を閉じていた。身体を繋げてみれば、ウィリアムも愉しんでいたようであったし、アルテア自身...